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Interview

センスよく柄を日常にーーインテリアスタイリスト黒田美津子さんに聞く

Liberty Japan Co., LTD.

雑誌のインテリア特集、テーブルコーディネートなどのスタイリングから、ホテルや店舗、住宅の空間プロデュースまで。黒田美津子さんのお仕事は、多岐にわたります。トレンドにも精通したインテリアのスペシャリストが語る、センスよく柄物をインテリアに生かす方法とは?

インテリアや空間づくりに携わる仕事の醍醐味とは

「インテリアの勉強を特にしたことはないんです。見よう見まね、経験から学んでいった感じです」そう、黒田さんは言います。
 雑誌好きが高じて、幼稚園の先生から雑誌の世界へと転身。『Hanako』の創刊メンバーに名を連ね、あらゆる分野の企画から取材、執筆までを担い、記者としての経験を積み重ねました。その後、フリーランスのエディター&ライターとして活動するうち、次第にインテリア関連の仕事が増えていったといいます。最初はスタイリングが中心、やがて内装や設計の方面から声がかかり、インテリアデザイナーたちと仕事をするようになり……、現在は、空間全体のディレクションやスタイリングも多く手がけています。
「住宅一棟の内装をまるごと任される仕事だと、空間全体でライフスタイルを表現することができます。ときどきに流れていくトレンドではなく、より楽しく、より快適な暮らしとはどういうものか?を、じっくり考えてインテリアに投影することができる。暮らすことは生きることですから。そういう意味で、内装の仕事は楽しいですね。私、幼い頃に道を歩いていても、つい立ち止まって『この家の中は、どうなっているのかなあ』なんて興味を惹かれてしまうような子どもだったんです。だから、インテリアの仕事を自分で選び取ってきたという感覚はないけれど、仕事って向いている方向にいくものなんじゃないかな、と思います」

柄をアクセントに、自分流のリミックススタイルを!

 黒田さんが、インテリアを実践する上でかねてから提案しているのが「リミックススタイル」です。その公式は、ベーシック+アクセント=自分流のミックススタイルというもの。
「面積の大きいもの、たとえば床や壁、家具でいえばソファなどは、ベーシックなカラーや形を選んで、アクセントでときどきの気分や自分らしさを加える。そう心がけるだけで、空間はすごく変わりますよ。壁紙は替えられなくても、カーテンだったら取り替えることができるし、クッションなどで今っぽさを取り入れてもいい。ここ最近は、もっぱらグレートーンをベースにしたミニマムでストイックなインテリアが主流ですが、そこにはやはりアクセントが必要。インテリアはメイクと同じで、仕上げにチークを足したり、口紅を塗ったりするように彩りをプラスする、そんなふうに考えてみてください」

 ならば今、アクセントとしてプラスするべき彩りとは?
「今また、インテリアに少し華やかな気分が戻ってきました。たとえば長らく主役の座にあった自然素材や和のものに、北欧のテイストやメタル、オリエンタルなアイテムで味付けをするとか、インテリアアクセサリーの世界でも柄物が注目を集めています。中でも、今年は小花柄に向かっているように思いますね。プリントの布をテーブルランナーとして使ってみるなんていうのもいい。テーブルにただ器を置くのではなかなかまとまりにくいし、かといって折敷を何枚も揃えるのは大変。その点、布なら手軽ですし、しまっておくのも簡単です」
柄や彩りが、今の気分を表現する格好のアクセントになるというわけです。
「リバティは、デザイン性や芸術性にすぐれたブランドですし、意外に知られていない大胆で思い切った表現にも目をみはるべきものがあると思います。ファブリックや鮮やかなプレートテーブルウェアなど、アクセントとしてもクオリティが高く、存分に効果を発揮するのではないでしょうか」

黒田さんが手がけたインテリアや空間の数々

<左上>日本橋三越本店の有田焼創業400年記念 十三代今右衛門×十四代柿右衛門展にて図録、会場インテリアインスタレーションを担当 (©Mitsukoshi & ISETAN holdings, Photo by John Chan) <中央上>インテリアショップLIVING MOTIFが提案するオフィスシーンの空間ディレクションとスタイリングを担当。(ⒸLIVING MOTIF) <右上>壁紙のトップメーカー サンゲツの壁紙の開発ディレクション、カタログスタイリングを担当。(©sangetsu, Photo by Gorta Yuuki, Designed by HOW TO WRAP_) <左下>IFFT/インテリア ライフスタイル リビングで、スウェーデンのシェルフブランド、ストリングのブースデザインとスタイリングを担当。(©String Furniture, Photo by Satoshi Nagare) <右下>旭化成ホームズ ヘーベルハウス 2018年新商品「のきのまent」のインテリアディレクション&スタイリング全般を担当。(©Asahi Kasei Homes ) その他、Panasonicの「ふだんプレミアム」のCMや、雑誌など多岐に渡って空間ディレクションやスタイリングのプロフェッショナルとして活躍。

黒田美津子/MITSUKO KURODA

インテリアスタイリスト スタイル・ディレクター インテリアデコレーター ライター。雑誌『Hanako』(マガジンハウス)創刊とともに、記者としてのキャリアをスタートさせる。スタイリングから取材、執筆までを担当。その後フリーランスとなり、女性誌やデザイン誌を中心に活動。現在は広告、イベント、商業施設、住宅などのディレクション、コンセプトワークなど幅広く手がける。

photo: Tomoko Meguro
text: Terue Kawai